「物理の内容は役に立ちません」

【授業研究】熊本西高校研修会の後の懇親会の時のことです。遅れてきた先生が「伝言です」と話し始めました。その内容は「『物理の内容は役に立たない』との小林さんの回答はすごかった。感動した、と伝えてくれ」でした。

 これは研修会の中で「物理の授業の内容は何の役に立ちますか?」との質問に対して私が次の回答をした場面のことです。回答は「大学等で物理の研究をするか、高校で物理の教師になる人以外には、将来ほとんど役に立たないと思います」でした。

 この回答は、もう30年も前から、高校で物理を教え始めて以来、生徒たちに言い続けてきたことです。私にとっては日常茶飯事に近い発言だったのですが、多くの先生たちには衝撃的だったようです。研修会で行った「模擬・振り返り会」で書いてもらった「ラブレター」にはこのことに関する記述がたくさんありました。皆さんの考え方を少し変えるのに役立ったようです。うれしいことです。以下に列挙します。

 

「『コンテンツはどうでもいい。そのプロセスが人生に活きる』というひと言が胸に突き刺さりました」

「『物理の知識が何の役に立つのか?』の質問に、ずはり『役に立たない』の回答。素晴らしすぎました。求めた答えに合致しました。いつもワクワクする回答。本当にありがとうございます」

「『役に立たないことを利用して、一生役立つ学び方を身に付ける』この開き直りが大切なのですね」

「つい、『この教科は役に立つ。将来、新聞が読めないと困るだろ』などと言っていました。新聞など消えるかもしれないのに」

「〈教科〉の意識のしばりを離れ、〈コンテンツ〉そのものより、むしろ〈学び方〉を学ばせるのだ、という話はまさに目からウロコでした」

「教科内容をただ覚えさせるのではなく、〈話しあう〉〈学びあう〉ことの大切さを伝えていくという発想は、授業だけではなく部活動にも広げられると感じました」

「教科内容が『将来、何の役にも立たない』という回答が刺激的でした。〈教科を教える〉のではなく、〈教科で教える〉ことを意識して毎日取り組みたいと思いました」

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