「この本は、その都度、異なる顔を見せて、何かを気づかせてくれる」

【授業研究】「反転授業の研究」で有名な田原真人さんがご自身のブログに拙著「アクティブラーニング入門」を読んで、そのレビューを書いてくれました。その内容はとても面白いです。拙著に関する、解説書と言っても良いと思います。私が最も狙い、最も工夫したこと、でも実現するかどうかは不安だったことを、ほぼ成功していると述べてくれています。そのエッセンスを示す一文が最後のところです。
「この本は、振り返りをするときに、傍らにおいておくのに最適です。そのとき、そのときで、異なる顔を見せて、何かを気づかせてくれると思います」
  私の狙いはこの本の読者に、「自分の経験を振り返り、気づくという体験」、つまり、コルブの経験学習モデルのサイクルを起こしてもらうことでした。読者の体験は日々積み重なります。従って、同じ本の同じ箇所を読んでも、「気づき」には変化が起きます。その人の体験と必要性に応じて、気づきや学習が起きるはずだと考えました。
  私の本は、ストーリーでわくわくさせたりすることではなく、知識の羅列と伝達だけでもなく、「振り返りと気づき」を起こす道具にしたいと思いました。そんなことをどうやって実現するか‥。そこを「事実の提示」に賭けてみました。私が授業をどう実践しているか、何を意図して実践しているか、何を発見したり感じたりしてきたか‥その事実を余計な講釈や解釈をできるだけ削ぎ落して書くという方法です。
  こうすれば、私と同じ授業者にとっては、「自分とは異なる事実」に目が向くはずです。そこで「?」が起き、自分の実践に対する振り返りが起きるだろうと考えたのです。それが成功していることを、田原さんの文章は繰り返し伝えてくれます。そこには「自分と同じ事実」でも同様の気づきが起きることも示してあります。これは私にとっては大きな学びになりました。
  田原さん、素晴らしいレビューをありがとうございました。本文はこちらからどうぞ。→http://flipped-class.net/wp/?p=1664