支援の目的は相談者(依頼者)が支援を不要とすること。

【私の研修プログラム5】
   私の研修プログラムの第3の方針は「できるだけ早い時期にサポートに区切りをつける」です。これは、期限のない継続的なサポートは「学校」の依存性を高めることになりかねないからです。
このことと同じことは様々な場面で起きています。例えば、カウンセリングにおけるカウンセラーとクライアントの関係です。クライアントはカウンセリングの時間が心地よくなると、その時間はとても楽しみになります。それが続くと、その時間がないと生きていくのが辛くなってくることがあります。私はこれはクライアントの責任ではないと思っています。それは、カウンセラーの責任です。
  カウンセリングの目的はカウンセラーとの心地よい時間を作り出すことではありません。クライアントが「独りで生きていける」ようになることが目的です。それが、一時的にできなくなったクライアントがカウンセリングを受けに来ます。その時間を心地よいものにするのは、クライアントが安全安心の場を確保することで、自分自身の在り方をじっくりと見つめ直す余裕と意欲を持つためです。そして、最後はカウンセリングを受けなくても独りで生きていくことができるようにするための、「一時的な支援」であるべきです。
  カウンセラーにとってはいつまでもクライアントがいることは継続的に相談料金がはいることになります。この点では経済的に魅力的です。私はその構造がいつまでもクライアントがカウンセリングを訪れるようにする理由なのではないかと思っています。
  このことは様々な「対人関係職」中に見られがちなことです。私は学校支援の研修プログラムを考えるときに、始めるときから「終わり方」を計画しておくことが必要だと強く感じています。(この項終わり)