私の原点は「越ヶ谷高校授業研究委員会」

【私の研修プログラム2】私が研修プログラムを考えるときの基本方針の第1は「越ヶ谷高校授業研究委員会での実践を基礎にする」と書きました。この委員会について述べておくことにします。
  私は2007(平成19)年4月に埼玉県立岩槻高校から県立越ヶ谷高校に異動しました。その年の6月に「新しい授業」に切り替えて実践を始めました。その年度の9月ごろに「学力向上連絡協議会」が設置されました。これは4月に私と同時に越ヶ谷高校に赴任してきたMさんがリードしてくれたものです。この協議会が翌年度「授業改善研究委員会」として組織され、その後改称されて「授業研究委員」になったのです。
  この協議会設置の準備段階でMさんに「ぜひ、小林さんにも加わってほしい」と声をかけてもらいました。今振り返ってみると、これは私にとって重大なターニングポイントでしたが、当日の私にはそれほどの意識はありませんでした。
  Mさんのお誘いに対して私は「校長の意向を直接確認してからにするね」と答えました。校長に直談判した中身はこうでした。「学力向上実現の方策には2つあると思っています。1つは宿題や補習を増加して引っ張る方法です。もう1つは生徒の学習意欲向上を図っていくことです。校長の方針が前者なら協力する気はありませんが、後者なら喜んで参加します」。校長の回答は直截(※)でした。「後者だ」。「わかりました。参加させてもらいます」。
  こうして私は委員会活動に参加することにしました。この立ち上げにMさんはとても苦労しました。でも、Mさんのおかげで私の現在があると言っても過言ではありません。Mさんへのお礼の気持ちを込めて、授業研究委員会の活動について次回は少し述べることにします。(この項続く)

(※)直截(正しい読みは「ちょくせつ」、慣用読みは「ちょくさい」。1 すぐに裁断を下すこと。また、そのさま。「―な(の)処置」2 まわりくどくなく、ずばりと言うこと。また、そのさま。「簡明―な表現」/デジタル大辞泉)