「新しい授業を生徒は受け入れるか」が不安

【今週の振り返り】先日、岐阜で行われたシンポジウムでメモしたひと言です。新しい授業を始めるときの教師の不安の1つです。この不安は全ての教師が持つものだと思います。私は以下のようにしています。
  まず準備です。私はかなり時間をかけて準備をします。不安を軽減するめに心がけているのは以下です。(1)「なぜ」そうするのかを理論的に説明する、(2)納得できるようなワークや話し合いを用意する、(3)感想カードやリフレクションカードなどで生徒の気持ちを表現・伝達できるしくみをつくる、(4)最も抵抗が強くなりそうな生徒を想定して対応策をつくる、(5)あまりに生徒の拒否反応が強いならその場で「やめる」用意をする(別プログラムを用意する)。
  次に実際に進めていく時に意識するのは「抵抗の強い生徒」を見つけることです。見つけ方は簡単で、姿勢、動作、話し方などの現象形態を見ていきます。でも、他の生徒以上に多くの声をかけたり、近づいたりはなるべくしないように気をつけています。それが、その生徒に対して過剰なプレッシャーになりかねないからです。終わってから、その生徒のリフレクションカードを丁寧に読みます。必要があればすぐに個人面談をします。可能であれば、授業終了後に目立たないようにちょっと声をかけて「どうでしたか?」と問いかけることもあります。
  事後は、生徒達のリフレクションカードが大きなリソースです。しばしば、全てのコメントをテキストで打ち込んで生徒に返却します。「友達たち」がどう感じているかを共有し、語り合うことは不安の軽減に役立つからです。また、色々な要望が書かれています。それは次の授業デザインのヒントになります。ここで大事なのは「生徒のニーズ(必要性)には応える」けれど、「生徒のウォント(欲求)には慎重に検討する」という区別です。